Fun,Fun,Fun
白濁した液体があって、時間が経つと底の方に沈殿物ができる。
もうとっくにその液体はそこにあるので、そろそろ分離してきてもいい頃だが、見た目は全然変わらない。
何だと思ってよおく見たら、9割がた沈殿物だっただけであって、上澄みはほんの少ししかなかったというわけだ。
なんかしっくりくる音楽がこの頃ないなぁと思って、不意打ち(自分の中で)中村一義をきいてみたら、これが意外としっくりきた。『太陽』なんて名盤じゃないか(あくまで自分の中で)。
ネオンに照らされた暗い夜道の中、100sの「希望」という曲を聞きたいなぁと思うが、そこにいくまでにもいくつか「あ、これも、あ、これも」という曲が出てくる。
なんだかんだで結局、希望にたどり着くまでに、家についてしまった。
そして扉を開けるその瞬間にふと、「明日は初恋の嵐を聞こう」とか思ってしまった。
4月になって余計に汚くなったアスファルトの道の上を、白い猫の親子はトボトボ歩く。
この町には野良猫が多い。
ちょうどここの商店街のキャラクターを公募していて、大賞は5万円、対象は誰でもいいというので、何か良いのないかなぁと考えていたのだが、猫で何かできないだろうか。
101号室のカップルは、拾った野良を本気で飼いたくなってしまったので、その部屋を出ていった。こうしてこの町の猫は一匹減ったが、そろそろもっと増えるだろう。
ここのところの俺の心持ちはと言えばまさにそれで、純粋な上澄みをなかなか掬えないままに、すぐ下の沈殿物にズブズブとハマっては、またその沈殿物を増やしていくだけ。
このどこか鬱々とした気持ちは、まさかただ睡眠不足ってだけじゃあないだろうな。
それにしても水かさは増すのに、見た目はいっこうに変わらない。
TOILETと書いて「トイレ」と読むのに、なんで「トイレットペーパー」っていうんだろう。
遠くに見えるのは、逃げ水だ。
猫にとっても暑くてたまらない日が来る。
5月16日、気が早いセミが一匹、もう鳴き始めていたよ。
















