かっこいいことはなんて…

Nov
12
2008

本谷有希子が言っていた「リアリティよりも説得力があるかどうか」という言葉は、それはつまりよしもとよしともにも通じるし、大竹伸朗にも通じるし、浅野いにおにも通じるし、もちろん松尾スズキにも通じる。
あはは、やぁ、そういうことだったのか。
どうやら大体は、間違っていなかったようだ。

10月19日(日)晴れ

この日はいい日だ。大体こんな日はそうに決まっている。
たとえどこかで戦争が起こっているとしても、ここだけは絶対に守られているようなそんな空間に俺は招待され、うまい飯や幸福な時間をこれでもかと味わっている。
笑いあう二人、日差しはまぶしい。
俺は必死で写真を撮り、ほんの一瞬でも逃すまいと躍起になっている。
でも、そんな俺の躍起さのわずかな隙間をくぐり抜けていくまぶしい瞬間たち。
まだまだ俺には写真の腕が足りないようだ。

早いとこ写真をまとめて、ハネムーン帰りのあいつに送ろう。

10月29日(水)早朝

起きる前から母からメール
「兄貴のところに無事女の子が生まれました」

ついに俺も叔父になっちまった。
でもなんだかうれしくて、珍しく兄貴にメールしたりする。
「おめでとう。で、名前は?」

それ以来全く返事がない。

浅野いにおの新刊が出てた。
短編集だ。東京に出張中に見つけて、すぐ買った。金もないのに。

浅野いにおの漫画は、完全に「現在(いま)」なのだが、ところどころによしもとよしともと同じ空気を感じざるを得ない。つうかストーリーも似てるのあるし。
でも好きなんだなぁ。俺、「フォロワー」と言われるものが、実は全然嫌いじゃなくて、つうか世界はいまフォロワーばっかなわけだし、それ受け入れていかないと次に進めないのかもな、なんて思ったりもする。
ま、たいていはどうしようもないのばっかりだけど。

浅野いにおは岡キョンやよしとものフォロワーだということをさっ引いても、充分に面白いものが描ける漫画家だと思うので、いま知らなくてもいずれ知ることになっていただろうと思う。
つうか今の時点で俺は面白い漫画家、作家、アーティスト、監督を、どれだけ知らないんだろうどれだけ損してるんだろう。そう思うと少しぞっとする。

面白いものを知らないなんて。
人生の価値3割減だ。弱含んでいる。

11月6日(木)なんとか晴れ

出張で東京まで来たので、せっかくだから代休をとって東京散策。

まずは自由が丘。行ってみたかったお店「ポパイカメラ」に。
欲しいカメラありすぎで頭がクラクラしてきたのでほどほどにする。
それにしてもいいカメラを見つけた。次来る時まであるかな、ないだろうな。

ついで中目黒に。
特になんの用事もなかったが、目黒川というものを一目見てみたくて、また、なんかバッタリなんてあるんじゃないかと淡い期待を胸に行ってみた。
市川海老蔵に似た人とすれ違った。

最後に、恵比寿にある新しくなった「Nadiff」に。
相変わらず魅力的なお店だ。ウズウズしちゃう。
おもえば、東京に来てこの店に来なかったことはない。

帰りの新幹線で、やっと雨が降り出した。

ハッピーな気持ちをエネルギーにできる人と、陰鬱な気持ちをエネルギーにできる人がいるとしたら、俺は明らかに後者だと気付いた。

俺に幸せは向いてないって?
そりゃあんまりだぜ。

 

にゃ〜ご

Oct
07
2008

今のところマッタク予定はないが、ペットを飼うなら猫だと思う。

新しい家の近くの公園にも、毎日決まった猫がいて、朝や帰りしなに微妙に居場所を変えつつごろごろにゃあおと転がったり歩いたりしている。
コイツ、朝には誰だか知らないおばさんにエサをもらい、夜にはこれまた誰だか知らないカップルに可愛がられながら写真を撮られているのだ。
つまりコイツは、ちゃっかりここに居座っている、というわけ。

人が絶望する瞬間、とはどんなものだろう。
あっさり自ら命を絶ってしまった人のことを考える。
森の中でレイプされてしまった少女のことを考える。
線路に突き落とされた痴漢のことを考える。

それを見ていた人のことを、考える。

ある夜俺は見た。
その猫が、今夜はある男に世話されている。世話されているはずなのだが、やけにミャアミャア泣いている。
よくよく近寄ってみると、そのオッサンは猫をかごに入れて持って帰ろうとしていた。
猫はミャアミャア泣いている。
おっさんはよしよし、よしよしとなだめている。
俺はヘッドホンのボリュームを最大にし、そこを通り過ぎる。
びゅう、と風が吹く。

俺は、何も哀れまなかった。これでいいと思った。
だって、勝手に世話して、増えたら見捨てるんだぜ?

最近やけに調子がいい。
調子がいい時こそ、調子に乗ってはいけないのだ。
絶望の淵はすぐそこ。

 

最後の日

Sep
24
2008

どうしてこうも、人のことを語るのはむずかしいんだろう。特に人の死を語るのは。
あれこれ書いてはみたが、どれも的を射ないものばっかりで捨てた。

野田凪というクリエイターが亡くなったというニュースを見たのは、昼間、会社で、仕事中だった。
そのニュースはたったの10文字ほどにまとめられ、一時間ほどしてヤフーのトップから消えたので、まぁ、世間的にはその程度のものだったのかもしれない。

まさか、俺にとって赤塚不二夫の死より野田凪の死のほうがリアルに迫ってくるとは思わなかった。
YUKIのプロモを見て刺激を受けて以来、その活動ぶりが気になっていた一人であるだけに実に惜しい人を失ったと思う、日本は。

まあこの件に関しては言えば言うほど陳腐になるのでもうやめるが、
心からご冥福をお祈りいたします。

 

もうこれでおしまい

Sep
15
2008

ついこないだ、また俺の青春が一つ終わった。

青春時代を共に過ごしたバンドの解散ライブ。

「流し込むだけぇ〜!」というのも「セツナ!」というのも「マッケンLO!」というのも「犬にくわえさせろぉ〜!」というのも、もう本当に、これで最後。
終わった後のすっからかんな感じと言ったら。

青春の残り香をほのかに感じながら、俺はふと、当時つき合っていた彼女と連絡を取ろうと思った。
なんてことはない、ちょっとしたメッセージのやり取りだ。
「久しぶり、最近どう?」
「こないだ次女が生まれたばかりなの」
「そうか、それはよかった。おめでとう」
まぁ、大体それだけ。

それっきり全く何もないのだけど、俺は心から「おめでとう」と思った。

そして本当に目と目だけで通じ合っていたら、今頃どうなっていたのだろうと疑問に思って、聴いていた音楽のボリュームを上げたのだった。

 

そろそろ

Sep
10
2008

ま、あんまりなんにもかかねぇってのも、あれだぁな。

ドメイン更新のお知らせも来たことだし。
あ、金払ってんだったって思い出したし。

ちなみに、実は写真アップしてます↓
http://www.flickr.com/photos/plaphic/

いま、俄然やる気モードなので、なるだけ書こうと思います!思っています!思うだけかも!

明日はスパバタ解散ライブだ!悲しいけどイヤッホウ!!

 

いつかはきっと

Jul
28
2008

最近聴いている音楽は、あの頃聴いた音楽だ。
空っぽだったあの頃。とことん自分に自信がなくて、自分が求めるものも、自分を求めるものも、なんにもなかったあの頃。ただ生きているだけ、特に活きてない、そんな頃。青春のまっただ中で、俺は突っ伏して泣いていた。
「どうしたの?」とかかる優しい声にも耳を貸さず、俺はただ、「死にたい」なんて思っていたのだ。
あれからずいぶんと月日が経つ。たいしてなんにも変わっちゃいない。

くるりの「さよならストレンジャー」や「図鑑」だったり、中村一義の「金字塔」や「太陽」だったり、スーパーカーの「スリーアウトチェンジ」だったり。

あの頃のBGMはおおよそそんな風だった。決して絶望的ではない音楽。

そしてみんな口を揃えてこう歌うのだ。
「僕はここにいる」

むしろ、本気で死にたいと思っていたのはもっと昔かもしれない。
聞いていたのは、ニルヴァーナとか、なんかそんなの。
もう何年前だかわからないくらい。

俺は今日も睡眠不足。
明日のことさえ考えられないでいる。

あの頃のあの音楽が、今も頭の中をぐるぐると回る。

 

結局は今を忘れるなら・・・

Jun
24
2008

今は小さくまとまって生活している俺にだって、実はいつかは果たしたい夢があるのだ。
たとえば・・・・
死ぬまでにすんゲェいい曲を書きたい(コードとかわからないけどね)、死ぬまでにすんげぇいい詩を書きたい(国語力狭いけどね)、死ぬまでにめちゃくちゃいい映画とりたい(撮り方わかんないけどね)、死ぬまでに最高の絵を描きたい(絵心ないけどね)、死ぬまでにいい小説を書きたい(文才ないけどね)、死ぬまでに、死ぬまでに、もう死んでもいいってぐらいの決定的な一枚の写真を撮りたい(行き詰まってるけどね)。
そんなこんなで、タリネェタリネェって何が足りないのかもわからないまま、貪欲に、あれもほしいこれもほしいもっとほしいもっともっとほしい!と喉から手が出る日々。

目下の目標が最近設定された。

カチリ、と私の頭の中のリボルバーが引かれた瞬間だ。



おかあさん ゆうべ 夢を見ました

まだ生まれてもいない 赤ちゃんが わたしに言うのです

男に生まれた方が 生きやすいか 女に生まれた方が 生きやすいかと

わたしはどっちも同じように 生きやすいということはないと 答えると

お腹にいるだけでも こんなに孤独なのに 生まれてからは どうなるんでしょう 生まれるのがこわい これ以上 ひとりぼっちはいやだ というのです

わたしは言いました
「まあ生まれてきてごらんなさい」と
「最高に素晴らしいことが待ってるから」と

朝起きて 考えてみました わたしが答えた
「最高の素晴らしさ」って
なんなのだろう わたし自身もまだ お目にかかってはいないのに

ほんとうに なんなのでしょう わたしは 自信たっぷりに 子供に答えていたんです

(大島弓子『バナナブレッドのプディング』)

 

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